汚れた赤バイク

 今日も雨天の鉄板にタイヤが滑って立ちゴケ。車体に足を挟まれた際に出来た擦り傷が、風呂に入るとしみた。
 後部に荷物を満載しているとき、バイクの運転は本当に難しい。タイヤはまるでパンクでもしているかのようにぶわんぶわん弾み揺れ、停車時もわずかな傾斜でバイクは倒れようとする。学生時代は主に速達や書留が専門だったので、こうした経験は少なかった。
 学生時代は90CCのバイクに乗せてもらえた。今は50CCのバイクなので、重たい荷物を載せれば坂道でエンジンが悲鳴を上げる。登りきったところで、プスン、と止まる。「動け、動け」と、何度もキックスターターを蹴る。再び不規則にがたがた言いながら動き出すエンジン。毎週火曜の点検時には空気圧やオイルを調べ、空気を入れたりオイルを足したりする。ブレーキやランプ類の点検は毎日の義務。これも民営化前にはなかった仕事だ。点検しながら、バイクに自分を見る。