2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

極論すれば

井筒俊彦訳『コーラン』(岩波文庫)を読み始める。コーランが成立当時の商人の言葉遣いで、生活に即して分かりやすく語られているニュアンスが、井筒訳から伝わってくる。 また、ユダヤ教やキリスト教の重要な人物、伝承が「より明確/最終的に」語られてい…

五十年、何億年

母が、しまっていた外套を五十年ぶりくらいに着たという。モヘアの真っ赤な外套で、裏には旧姓が縫いこんである。わたしも衣類を五十年もたせてみたいものだ。 『ホットスポット』を観る。マダガスカル。動物は環境に適応するよう進化したようだが、なんで人…

聴く、考える、食べる。

実家に置き去りにしていたワルターのモーツァルト『交響曲第40番・・・』を前任地赴任以来、数年ぶりに持ち帰って聴く。ベートーベンもそうだが、当時はワルターが好きだったようだ。でも今聴くとやっぱりこれも重い。カール・バルトはこんな感じのモーツァ…

強制自白

哀歌からエゼキエル書へと読み進めていると、当然ながら「主の前に罪を犯した」という告発が連呼されている。自分たちの不幸は自分たちが罪を犯したからだ、そうだとでも思わなければやっていられない、そんな悲痛も感じる。 プロテスタントで贖罪がことさら…

ヤコブの手紙

ヤコブの手紙を読む。“あなたがたの集まりに、金の指輪をはめた立派な身なりの人が入って来、また、汚らしい服装の貧しい人も入って来るとします。その立派な身なりの人に特別に目を留めて、「あなたは、こちらの席にお掛けください」と言い、貧しい人には、…

お父さん?

連れ合いがアンゴラ外套のかけつぎ修理を受け取りに行った。過日、修理に出しに行った際にはわたしが同行したのだったが、今回帰宅して彼女が言うに、職人のお婆さん、わたしのことを覚えており、彼女の父親だと思ったらしい。 思えば前任地でも父親と勘違い…

知らせ

友だちと母校付近でお茶。帰り際携帯が鳴る。前任地の近隣教会関係者の訃報。現住陪餐会員1名、その1名の方の大切なご主人が逝かれた。会員1名の「大きな」主の教会である。その方への主の慰めを祈る。

こうもり

A氏に私淑し、B氏に私淑する。ところが、A氏とB氏とは文字通り政敵である。ふたりの意見は正反対。憎しみあってすらいるかも。ところが、その生き様は、少なくともわたしから見て、どちらも尊敬に値する。 そこで、わたしの真意が問われる。A氏がB氏を…

御言葉が迫る

ヨハネ21:18を、いつも心に抱いて牧師の仕事をしてきた。「はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。…

相対性に立つ勇気

シュロモー・サンド著、高橋武智監訳、『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』、浩気社、2010。を読み始める。タイトルの「創作」について訳者が「無から」作り出すことの意味もあると言及している。原著はヒブル語だというから、きっとバーラー…

タイミング

フォーレのレクイエム、CDを頂いた先輩同様、自分の出棺時にかけてほしいと連れ合いに言ったら、「こないだまで『サティをかけてくれ』って言ってたのに」と笑われた。そういや20歳頃、当時通っていた教会に出した遺書には「レッド・ツェッペリンⅡ」と書いて…

すごく大きなコリドラス

朝、夢を見ていた。ガソリンスタンドで、平坦な天井を見上げたら、そこに大きなコリドラスもしくはサカサナマズがへばりついて、自由に泳ぎまわっていた。水もない空中を、コイノボリのように。店員が言うには「店内に溜まるゴミを掃除してもらっているんで…

もうひとつの

今日で父が倒れて7年。前日震災ウォークで災害医療センターまで闊歩していたが、翌日そのセンターに救急車で運ばれたのだった。人間はこんなに脆いのかと痛感させられたものだった。 以降父は麻痺した言語や右半身のリハビリに励み、わたしは任地に赴任する…

出来事の「後」にはじまるもの

神戸栄光教会の兵庫県南部地震追悼礼拝に出席してきた。神学生時代は不真面目から、そして任地は遠方だったため、ことごとく出席したことがなかった。 わたしにも地震の体験はある。しかし地震「後」の体験のほうが大事な意味を持つ。地震というキーワードを…

組織に生きる

『日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第2回 巨大組織“陸軍” 暴走のメカニズム』を観ていた。とくに中間管理職的立場にある軍部官僚の優柔不断さが、現代的に再解釈されていた。 身につまされるものがあった。たとえば、あくまでたとえばの話だが、自分の将…

滑稽

明日の礼拝の準備。来春から牧師を招聘しようという喜びに満ちた教会に、どこからもお呼びでない元牧師が呼ばれて何かを語る。なんとも滑稽。

心のうごき

かたわらには開くことのない手帳。そして鳴ることのない携帯電話を凝視。諦めるな。今日もだめか・・・・・さて、夕飯の用意しないと。

事情 真夜中(早朝)に

今夕は落胆する可能性が極めて高い。だから覚えておこう。今の状況を経て、自分は神から「人間」というかけがえのない宝を与えられたと。今ほんとうに自分は人−の−間に生かされてあると。そのことを忘れずに寝て、朝には起きて、夕まで過ごそう。

補足

2月のお仕事の依頼を頂いた。いろいろな人が心配して下さり、少しずつ援助の手を差し伸べて下さる。なんと有り難い恵みだろうか。人間は自己完結していない。欠けた穴がある。そこからいろんなものが漏れ出してしまうが、逆に、注ぎ込んで下さる人々がいると…

はしりがき2

昨朝友人と話していて教えられたこと。人間ははかない性的な存在である。しかしそこで言う「性」とは、人が人を求めずにはいられないことの謂いであり、そのように人が人を求め見つめるとき、相手も自分も弱いが、人々の世界はほの明るく輝いているという事…

はしりがき

この人を護りたいと思うまさにその場でこの人に護られているという事実。多分自分でも何を言っているのか分かっていないが、それが事実(できごと)の深みを湛えていることは分かる。 もうすぐ三十になる連れ合いに「女の子」は失礼というものかもしれないが…

補足 喪の作業

いろいろな事情のなかで葬儀の前には複雑な表情であった喪主の方が、葬儀の後はホームの人たちに心からお礼を言っている。表情も清々しい。喪の作業の持つ癒しの力を痛感。葬儀はたんなる社交辞令ではない。

葬儀 死から受ける恵み

心ある先輩の配慮・手配によって、特別養護老人ホームでの葬儀を司式させていただく。杖をついた人、車椅子の人、手押し車の人たちが次々に柩を覗き込み献花してゆく姿に心打たれる。また、葬儀を堂々と執り行い正面玄関から出棺させるホームの、「死をポル…

消極性/受動性と積極性

イザヤ書を39章まで読む。こんな文言に語りかけられる。 “ まことに、イスラエルの聖なる方/わが主なる神は、こう言われた。「お前たちは、立ち帰って/静かにしているならば救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある」と。しかし、お前たちはそれ…

声が嗄れたよ

遠方にいる友人と、ずいぶん久しぶりに話した。気がつけば2時間以上。スカイプというのは本当に有り難い。 親族の死をとおして信仰を受け取り直しつつある友人の姿に、深い感銘を受ける。べつになにかを悟るでもなく、いつもどおり悩み、躊躇う。しかし亡く…

ハングリーなまねび

教育テレビで『ハートをつなごう』という番組を見ていた。36歳で派遣切りに遭った人、27歳で福祉関係に就職できた人が特集された。とくに前者の「30代半ばを過ぎて、なんの資格も持っていないので再就職が困難」旨、胸がつまった。石田衣良が「わかる、わか…

読書メモ 『汚穢と禁忌』続き

メアリ・ダグラス著、塚本利明訳、『汚穢と禁忌』、筑摩書房、2008.読了。著者は聖なるものと汚れたものとを安易に弁証法的に混同させず、フィールドワークで見られる両者の緊張や断絶を認める。その上で、しかも人間の分類としての「清さ」の限界に位置する…

このまま終わらんぞ

昨日は連れ合いの実家で過ごす。みんな賛美歌を歌うのが好きな人たち。そんななかで歌った533は心に染みる。 “どんなときでも、どんなときでも 苦しみにまけず、くじけてはならない。 イェスさまの、イェスさまの 愛を信じて。” 今までも闘って来たが、今年…