2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

気持ち良く超越しゆく

『ドラァグクイーンマーガレットの世界に誇る日本のオネエ』 MSN Japan - ニュース, 天気, メール (Outlook, Hotmail), Bing検索, Skype 簡潔で鋭い。“名前はものの差異を示すもの。名づけは、違いを取り上げて切り離していく作業なワケ。”“違いばかりに気を…

素朴の鋭さ

“「神を信じてらっしゃる?」スタヴローギンはいきなり口にした。「信じてますとも」「信仰があれば、山に動けと言えば、山は動くと言われてますね・・・・しかし、どうもくだらないことを言ったみたいだ。でも、ですよ、ぼくとしてはやっぱり聞いてみたい。…

絶対と相対

ときどき、「憲法第9条に賛成か反対かではない。神以外に絶対はないのであり、憲法も変り得るから。」というノンポリ的な言葉づかいを牧師から聞くことがある。後半の「神は絶対、憲法は相対」については、信仰の立場からはたしかにそうであろうが、それは「…

ロリータ・コンプレックスとロリコン

亀山郁夫訳、ドストエフスキー、『悪霊 別巻「スタヴローギンの告白」異稿』、光文社、2012を読み始める。「失われた「告白」 ドストエフスキー『悪霊』第2部第9章のゆくえ」を、心躍らせつつ読み終える。 「告白」には、ドストエフスキーが最初に書いた原稿…

体験できないからこそ意識する

“少なくとも、この物語がつくられたとき、その作者(集団)は、ユダヤ民族をユーディット(ユダヤ女)の名が示すように、「女」として表象させる必要を感じていた。それはもっとも強固な家父長支配の伝統社会を守っているユダヤ民族にとって異常なことだとい…

配慮と感じさせない配慮

下北沢の教会で行われたテゼー礼拝に参加。暗い礼拝堂に十字架のライトアップとろうそくの明かりだけが灯され、あぐらをかいて座るも正座するも体操座りも、教会ベンチに腰掛けるも、まったく自由。出席の名前も、べつに書いても書かなくてもよい。 正面に牧…

閉じた環

議論していて、むかっと来ることもあるだろう。相手の意見がどうしても受け入れられない、というような瞬間が。だが、そこで問われる人間性もあろう。言葉だけとはいえ、復讐の連鎖みたいなことをやっていては、たぶん現実の紛争がそうであるように、一切な…

女嫌いの教会

“重要なことは、アダムとエバの罪によって人間が永遠に堕落する、だから、強固な社会的・政治的統制が永遠に必要になる、という考えはキリスト教本来のものではなかったという点である。イエスは協調を教えたのであって、ドナトゥス派やペラギウス派(原罪説…

言い逃れ

http://t.co/TpP4MVU 四半世紀前くらいの、中学生丸刈りについての、非常に貴重な闘争の記録。 わたし自身は中学生のとき、自分は厳しい校則の「犠牲者」なのだと見なすことで、教師や学校の体質を自分なりに冷静に批判することから逃げていた。 しかしこの…

二つの原典、二つの訳者

岩波文庫『法華経』を読んでいる。『妙法蓮華経』訓読と『サッダルマ=プンダリーカ』邦訳が左右の頁に併記されているわけだが、ところどころ対応文がない。110頁「真の滅に非ず」118頁「法は常に無性にして仏種は縁によって起こると知り」に当たるサンスク…

創造的模倣

今週の仮面ライダーフォーゼを観ていてびっくり。朔田は弦太郎を裏切り殺すわけだが、死から復活した弦太郎は朔田を赦し受け入れ、そういう一連のプロセスを経る中で、朔田は究極の回心。また、朔田を憎みかけていた友人らも、「殺された本人が赦すんだから…

郵便配達のとき頑張ってくれていた靴下たちが、こちらに来てから次々と大穴をあけ力尽きる。今日も一足。お疲れ様とくずかごへ。と、ちょうどそのとき、学生時代のアルバイトでお世話になった郵便局員から「元気か」とメール。ふしぎなものだ。

担う、関わる─読書メモ

“グリューネヴァルトがコルマールの聖堂に描いた「イーゼンハイムの祭壇画」では十字架上のキリストの体に無数の腫瘍があって膿が出ている。これは、この地方の風土病(おそらく公害病)の病人を収容した施療院の礼拝堂に描かれたもので、同じ病気に苦しむ病…

鮮やかなるもの

『法華経』を少し読み、録画しておいた『平清盛』を観る。やけにハンサムな西行や、高野山の血曼荼羅の、ほぼファンタジーを愉しむ。 聖書を読むときは、自分は信仰の渦中にいるので、距離を置いて読むというのはきわめて難しい。しかし仏典を読むとき、あら…

悪夢なのかよい夢なのか・・・

今朝、また高校を留年する夢を見た。留年の夢は、よく見る。あれはどういう心理なんだろう。 実際わたしは高校を留年、中退しているのだが、夢のなかの詳細は事実と異なっている。そして必ず、それを聞いてがっかりする母親ないし親しい人が出てくるし、「こ…

「八王子」なんて言葉も、ここ出身か。

坂本幸男、岩本裕訳注『法華経(上)』(岩波文庫)を読み始める。あまりに難解なので、「序品」だけはまず通読し、そこで中断して巻末の注や解説を読んでみた。校訂のプロセスは『般若心経』同様に複雑で、聖書学と共通している。たくさんの写本の異動を比…

対話の否定から

神学部時代の恩師の言葉を思い出す。「対話とかエキュメニカルとか簡単に言うな。もしそれでも対話を望むというのなら、相手と刺し違える覚悟で向かい合え。」。当時はちんぷんかんぷんだったが、十数年経ってその重さを噛みしめる。 当時の恩師は今のわたし…

封書

前任地で、ある意味もっとも向き合うのに苦労した、厳しく辛口だった方。その方から封書が届く。緊張し、躍動もしつつ、封を切る。 「お元気ですか」旨、ごく短い挨拶の手紙。彼女らしい、几帳面な文字と文面。前任地での苦労を懐かしく思い起こす。 また牧…

思い黒々と

対話は重要だし、人を赦すことはキリスト者の基本だと理解している。だが、この2年ほどで学んだ。対話には限界もあるし、わたしは罪人に過ぎない。わたしの牧師復帰を妨害する人間は、わたしの敵だし、わたしを無任所教師だとして見下す人間を、わたしは同じ…

結婚記念日から少し遅れて、早稲田のとりそばのうまい店に出かけたところ、あいにくお休み。適当な居酒屋に二人静かに過ごし、その後喫茶店で、ぼんやり共にテレビを眺める。メトロ入口前の書店で岩波文庫「法華経」全三巻を買って帰る。

奉仕に関する覚え書き

ルカ10:38以下*1。マルタとマリアへの理解が、教会の奉仕に対する態度への課題となっていないか。座って御言葉を聴くマリアのほうが、忙しく立ち働くマルタ「よりも信仰的に優れている」と。 つまり、理性を働かせ、静かに観想し、主の御言葉に傾聴し、信仰…

チョッキ

千住の紳士服店に、チョッキを注文に行く*1。はっきり言って夏用のベストなど、このクールビズの御時世に「無駄、無意味」以外の何物でも無いのだが。しかしどうしても欲しかったので、やはり注文することに。職人肌の店主は、意外に若い来客に驚きつつも、…

テレビで実写版の『ヤマト』観た。最初はついていけなかったけど、まあ楽しめた。何より、柳葉敏郎の演じる真田さんにめっちゃ納得。先日亡くなった青野武さんの声質に、すごく似せて演技していた。真田技師長がほんとうに居たらあんな感じだろうな。

録画していた「紅の豚」を観る。1910年に17歳という回想シーンに気づいた。で、1929年の話(冒頭に読んでいる映画雑誌の年)だとすると、ポルコ・ロッソは36歳!若い! これを観た後は、いつもティノ・ロッシのレコードを聴く。時代は少し後だけれど。

外か内かでは割り切れない

恩師から応答を頂いた。彼によると、キリスト者がなかばむきになって『ふしぎなキリスト教』の間違い探しをするのは、間違いを指摘したいというよりはむしろ、言いようのない不快感によるのではないかという。 自分の父親について、知りもしない相手から「お…

『ふしぎなキリスト教』。批判の圧倒的なものは、やはり、教会史の誤りや聖書学的な誤り。たしかに、その分野の専門家から見たら無視できない量の間違いなんだろうな。ただ、批判するならするで、大澤氏と橋爪氏の「ざっくりとした解釈全体」に対する批判も…

そりゃ専門家は

『ふしぎなキリスト教』への、神学研究者からの反論は、たしかに正しいかもしれない。ただ、相手は新書。一般の人の読む、豆知識的な本だ。「こっちのほうが入門には適切だ」と、分厚い何千円もする専門書を出すのはどうか。そりゃあ、神学者が詳細に学術的…

『ふしぎなキリスト教』第3部「いかに「西洋」をつくったか」を読了。やっぱり、面白かった。一人が論説的に語ると、範囲の狭さや偏りが気になるが、対談(雑談!)形式になっているので、実際には緻密に計算された話題の組み合わせであるとはいえ、偏りもそ…

逆説と出会うのか、あくまで観察に徹するか

『ふしぎなキリスト教』の第2部「イエス・キリストとは何か」まで読んだ。やはり面白い。信徒でない平凡な日本人が(もちろん著者は非凡だろうが)キリスト教を観察したらこう見える、という部分を、面白くするためにやや戯画化もして、リズムよく描いている…

まずは第1部

『ふしぎなキリスト教』第1部「一神教を理解する 起源としてのユダヤ教」を読んだ。社会学的視点だからなのか、ウェーバーばかりが典拠になっているのは気にはなる。また、わたしも含めて信徒がじれったさを感じるのは、彼らがさらっと通り過ぎる「コミット…