編集への偏執

 知人が、通っている教会の牧師である深井智朗先生の本『思想としての編集者』(新教出版社、2011)を送ってきた。実に興味深いタイトル。かつて松岡正剛の「編集工学」という取り組みを知って、もともと興味のあった「編集」という作業の持つ力にさらに魅力を感じたものだ。
 うろ覚えだが、たしか深井先生は雑誌『ミニストリー』のどこかの号で、あるドイツ人の神学者との対話において、この編集の大切さを語っている。ビートルズが大成功を収めるにあたり、ブライアン・エプスタインの細々とした指導が重要な要素であったこと(加えさせていただくなら、ジョージ・マーティンのレコーディング。)。それと同じように、バルトなどの神学が大成するにあたり、ドイツ(スイス?)の出版社が果たした役割の大きさを、深井先生は語っていたのだ。言い換えるなら、出版社が頼りなければ、神学者は育たないのだ、と。
 仕事がきついのでなかなか読めないだろうけれど、早く読んでみたい。