ほんちゃん

 みんな同じ制服を着ているので、誰が正規雇用で誰が非正規雇用なのかは分からない。が、職員たちの「ほんちゃん」「おれら」という会話から、かなりの割合の人たちがわたしと同じアルバイトであることは想像がつく。
 アルバイトも正規社員も、配達や営業など、やっている仕事は同じ。負っている責任もまったく同じ。このあたり、学生時代のアルバイトの頃(民営化以前)とは違う。しかし待遇は昔と変わらない。アルバイトはあくまで正規の社員の穴埋め的存在で、待遇や休暇の取り方の不自由さなど、厳しい。
 一所懸命働き、仕事に明らかに誇りを持っていると思われる人が、アルバイトであり永久に正規雇用はされないだろうと思われるのを間近で見ていると、悲しくなることがある。この人がなぜ、と(もちろんアルバイトと割り切っている人も多くいる)。一所懸命な人が正社員になれたら、どんなにいいだろう。だが大赤字の郵便局で、それは許されないのだろう。
 牧師だって一寸先は闇だが、どんな仕事であれ、将来など分からないのが現代なのだ。