身を寄せている教会で、ほんの少しだがあたたかい交わりをいただいた方が、肝臓癌の闘病のすえに天に召された。この教会で祈祷会を担当させていただいた際、彼が涙ながらに震える声で、しかし大きな声で語られた証しを思い出す。不思議なことに内容は覚えていないのに、その声と語る顔ははっきり覚えている。
 肝臓の病の方によくあるように思うが、比較的亡くなられる直前まで元気であった。先月、前任牧師のお別れ会で、偶然同じテーブルに、はす向かいに着いた。彼は淡々と、けっこうな量を食べ、話しかけられると笑顔で頷いていた。今思い返しても、翌月亡くなる方とは思えない。神の定められる時の神秘。