極論すれば

 井筒俊彦訳『コーラン』(岩波文庫)を読み始める。コーランが成立当時の商人の言葉遣いで、生活に即して分かりやすく語られているニュアンスが、井筒訳から伝わってくる。
 また、ユダヤ教キリスト教の重要な人物、伝承が「より明確/最終的に」語られている。この点が宗教紛争の火種にもなるのだろう。だが三大宗教のいずれも一神教である以上、どの信仰においても誰でも「わたしこそ唯一の神から最終的な啓示を受けた者」と名乗り語り得る。その後の歴史がそれを証しする。