宙吊り

来年の今頃もまだ郵便配達してたらどうしよう、と、時々ぞっとする。もちろん郵便配達という仕事にぞっとするのではない。今の仕事は「ほんらい」の場ではないはずだという意識が、ぞっとさせるのである。しかも「ほんらい」の場とは何なのかも、もはやイメージできない。それは遠い遠い何処か。
カート・ヴォネガット・ジュニア著、伊藤典夫訳「猫のゆりかご」を読み始める。深読みすればきりがないのだろうが、とにかく翻訳のテンポがよい。文芸論的な意味だけでなく音楽的にもカーニヴァルだ。