「母なる」≠お母さん

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「母の日」、その起源と反対運動
Brian Handwerk for National Geographic News
May 14, 2012

アンナ・ジャービスは後半生を、商業化あるいは大規模なチャリティ化した「母の日」への反対運動に費やしたと知った。その運動は彼女の全財産を費やすほど熾烈だったらしい。彼女にとっては母とは自分の母一人のことで、抽象概念ではなかった。
昨日の教会での母の日行事は、行事の雰囲気そのものとしては、ほのぼのしてよいものだった。だが、行事の中で語られたジャービスの「美談」と、信徒を「受け容れる」「母なる教会」とを結びつけたメッセージに、どうしても違和感を感じた。よい交わりの会だったんだからいいじゃないか、重箱の隅に目くじら立てて神経質だと言われれば、反論の余地も無いけれど。
なぜ母イコール受け容れる存在なのか。あとでゴミの始末をしていると、中高年の男性たちは、「ゴミはお持ち帰り下さい」との呼びかけにもかかわらず、大量のゴミを残して帰ったことが分かる。否そもそも、呼びかけなど聴いてもいなかったかもしれない。「男同士の立派なテーマ」の談笑に夢中で。ゴミを受け容れ片付けるのも母だというわけだ。父ではなく。
ジャービスにしてみれば、素朴に母を追悼したかっただけなのだろう。mothers’ dayに反対してmother’s dayを唱えた彼女は。拡大解釈され「母なる教会」などと言われるのは、うんざりだったかもしれない。