守って「やる」

小林靖子の脚本によるゴーバスターズMission23「意志を継ぐ者」を見て、ふと若桑みどりの言葉を思い出した。“今年の四月に私が小林よしのり戦争論批判を行ったときに一人の学生が私のところに来て、愛する者のためにたたかうことがどうしていけないんだと詰め寄った。(中略)第一、彼女はあなたにむかってほんとうに「守ってくれ」と言ったのだろうか?”(若桑みどり著、『戦争がつくる女性像』、筑摩書房、2000年、293-294頁。)
ヒロインが、守ろうとする年長のヒーローにはっきりと「自分のことは自分で守る」と意志表示し、逆に先輩ヒーローを保護していた。そしてヒーロー側も、戸惑いも拒絶もせず、彼女の保護を敬意をもって受け止める。男の子向けのヒーロー番組でこういった演出をしてくれるのは、かなり嬉しい。ガンダムAGEなどでは「愛する者を守る」が連呼されるから。