ロマンチックなかいじゅう

録画しておいた『ウルトラマン』の「恐怖の宇宙線」を観る。ガヴァドンという、子どもが土管に落書きした絵が実体化して怪獣になる話。へたくそな絵がそのまま今でいう「ゆるきゃら」、おとなしくてかわいらしい巨大怪獣に。人間やウルトラマンにやられっ放し、最後はウルトラマンに運ばれ、宇宙の果てに追放される。
ガヴァドンとは七夕に会える」とウルトラマンが宇宙から子どもたちにメッセージを送るが、ガヴァドン座?なる星座となった怪獣は、ぽろっと星の涙をこぼす。思わずこちらも、ほろり。巨大なだけ、異形なだけでは恐怖の対象とはならない。子どもの頃に再放送を観て、土管から実体化する怪獣に夢を馳せたものだったが、これほどロマンチックな話だとは思わなかった。監督がまたしても実相寺昭雄だった。