信条と福音書

聖公会の友人がニケア信経(ニカイア信条)について勉強していたので、スカイプをとおしてレジュメを見せてもらった。よく学んでいるなあと感心した。そして今スヒレベークを読んでいるので思ったのだが、たとえば四福音書はそれぞれ伝承の成立した地方や時期があるので、当然個性というか、「関心の偏り」がある。マルコ福音書のイエスは復活したがまだ高挙されておらず、それが実現するのは将来、来るべき人の子としてである。マタイやルカでは、復活後まもなく高挙も実現する。とくにルカの教会には高挙後しばらくして、聖霊が臨在する。ヨハネ福音書には先在の知恵(律法)とイエスとの統一がある、などなど。それらの振幅を、信経は丁寧に調和させている。友人によれば、福音書は規範化する規範、信経は規範化される規範ではあるが、福音書の正典化のプロセスと信経の成立とは同時進行的なので、相互に影響はあるだろうという。
ペリカンの『キリスト教の伝統』は第一巻を読んだだけで止まってしまっているので、第二巻以降も読まなければと、再び興味が湧いてきた。