F・G・イミンク著・加藤常昭訳『信仰論 実践神学再構築試論』を読み始めた。おそらくオランダの改革派神学の伝統に忠実でありつつ、現代の(衰退しつつある)教会のありように応答しようとしていると思われる。今、第2章の途中まで読んでいるが、信仰の個人化・内面化、言わば信仰の思想化に潜む問題にスポットを当てようとしているようだ。しかしここで「実践」神学だからといって、社会学的分析をしたり、行動主義的な哲学やヴィトゲンシュタイン的な意味での論理学に走ることもしない。あくまで穏健な「こころ」「主体─客体」で語る。刺激という意味では弱いので眠気も催すけれど、牧師として(無任所だけれど)よき修養になる。
わたしは不勉強でシュライエルマッハーのテクストを直接読んだことがないから、彼の語る実践神学の厳密な定義を正確には知らない(ノヴァーリスとの共著の短文は読んだけれど、神学とはほぼ無関係)。けれどカントの『実践理性批判』は読んだので、少なくとも「実践」の部分はたぶんそういう伝統というか、実践の理論、当為(なすべきありよう)としてのそれを、抽象的かつ緻密に語ろうとしているんだろうな。