2011-09-06から1日間の記事一覧

速度

使徒言行録を毎朝すらすら読んでいると、パウロの旅が旅客機の速度だと錯覚する。実際には青年だったパウロが回心し、中年だったパウロが殉教したはずなのだ。その遅々として捗らなかったであろう途中経過、そこでのパウロの地味な祈り、彼を支援した人々の…

振舞い

バスのなかで、ズボンが「ずっていないか」ではなく「上がっていないか」を、しきりに気にして腰に手をやる少年。モードは面白い。人が振舞いを選ぶのではなく、振舞いが人に宿るのだという、クンデラの表現をふと思い出す。

こどものころ

家々のあいだを小刻みに走っていると、ランドセルに野球帽の、でも大人しそうな少年が走ってついてくる。バイクを降りてマンションへ走り、戻ってくると、少年がメーターを覗き込んでいる。わたしに気付いてあわてて、小さな声で「こんにちは」 わたしも「こ…