2012-06-30から1日間の記事一覧

少女に関連して 師の思い出

森茉莉の最晩年を矢川のテクストから読むにつけ、わが師匠の最期の日々を思い起こす。存命であれば今年で90歳になる彼女も、最期までほんとうに少女であった。教会の人々を元気にしたい、否しなければならぬと、倒れて死ぬ直前までいきいきと目を輝かせた。…

「少女」ではあり得ない、それでも

矢川澄子、『「父の娘」たち』、平凡社、2006を昨日読了。かつて宮川淳のテクストに出会って以来の、久しぶりの硬質で清潔感あふれる文体だった。また、矢川の、森茉莉や野溝七生子についての記述のなかに、彼女の老いと死についての、受容と拒絶の微妙なゆ…