2012-07-31から1日間の記事一覧

泰然自若になれない人の、なれないという自然を

多田智満子による矢川澄子の回想を読んでいた。あらゆる意味でルサンチマンから自由であったらしい多田には、ルサンチマンや上昇志向との闘いのなかで疲弊しきったであろう矢川の疲労感や孤独感は理解できなかったということが伝わってくる。多田も癌による…

今ここにある真理

J・ペリカンの『キリスト教の伝統 第1巻』を読了。最後あたりの、ローマ教皇の出現の由来、またグレゴリウスによる煉獄の教理およびミサの犠牲の教理の定式化への言及が、興味を惹いた。煉獄との関連で、罪を犯して死んだ死者への赦免のために、ミサの犠牲を…