神学部チャペル

 自分としては珍しく、用意した原稿からかなり逸脱した。一所懸命な学生の眼差しに、なにかが触発された。召命という日ごろからのテーマに火がついた。
 自由な学風の学部のなかで、保守的な説教をした。保守的な枠組みに押し込められるなかで、それでも可能な限り自由を発揮する面白さ。そういうものを自分は追及しているのかもしれない。最初から自由なオリジナリティは自分には向いていないし、そんな才能もない。保守と伝統の枠組みを与えてもらい、その場からなにがしかその枠組みを越えて覗き見えるものを伝える。枠組みと、枠組みをはみ出す新しさとの葛藤。この緊張感を今日は学生たちと分かち合えただろうか。