視聴メモ

 『歴史秘話ヒストリア』で光明皇后をやっていた。彼女は天皇制を改め、皇帝制にしようとしていた可能性がある、という説が興味深かった。天皇は神だが、皇帝は人間。だから皇帝であれば仏を信仰する奴(やっこ)として在位することに矛盾が生じないという利点があったという。夫の聖武天皇が、晩年病のなかで仏に帰依して自ら建立中の大仏の前に跪いた出来事も一因していたようだ。人間が神となる天皇制の限界を彼らは知っていたのかもしれない。
 桜井万里子、2008.によれば、6世紀末から7世紀末までの皇位継承に男女の差異は重視されなかったという。さらに光明皇后の時代の8世紀であっても、后(キサキ)の政治的な統治力は天皇と限りなく等しくなり得たようだ。
 現代の男/女の素朴な(がさつな)二分法では理解しきれない歴史の深みを感じる。また、未来への可能性も。