布団の中で

 突然思い出した「かみさまに かんしゃしましょう ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ かみさまは よいものをくださった ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ」付帯施設の「おばあちゃんせんせい」が事あるごとに子どもたちと歌った。
 今、この素朴な歌詞がその歌声とともに深く身に染み渡る。今日も人々から祈られていることを感じた一日だった。
 
 
 ちょっと体調を崩したので、近所の診療所へ。ついでに点滴をうってもらう。そのとき、初老の女性が医師へ挨拶に。看護師が急に真面目な顔で「このたびは急なことで・・・幸い、他の患者さんがおられませんでしたから。少々お待ち下さい」。そして女性は待合室に戻る。
 点滴のあいだ横たわっていると、看護師が元気な声で「ねえ!死亡診断書2000円やった?3000円か!」。
 こんな小さな古い診療所で、今日のお昼ごろ、人が亡くなったのだなあ。たぶん普通に受診に来て、突然倒れてそのまま逝かれたんだろうなあ。どこにでも死は待っているんだなあ。そんなことを、天井を眺めながら考えていた。相変わらず小気味良いイージーリスニングが流れていた。