雰囲気

 おととい、ショスタコーヴィチ交響曲第七番」を聴く。ソ連製の輸出版。英語の解説には、1941年にソ連とドイツが開戦した際、彼が国家に捧げた作品とある。映画のサントラは虚構を盛り上げるが、献呈された曲は戦争という現実を、そのナショナリズムを盛り上げたのだろうか。複雑な印象の曲だが美しい。
 今日、友人が田辺聖子による戦前の少女作家論の引用を送ってくれた。以前吉屋信子『黒薔薇』を読んだときにも教会学校の描写を新鮮に読んだ。小林かいちの展覧会で膨大なモーセや十字架、礼拝堂のデザインにも圧倒された。大正から昭和にかけて、少女たちにキリスト教が受容された歴史が、たしかに存在する。