カップの汚れ、帽子の黒

 連れ合いと喫茶店に入った。珈琲をだいたい飲み終わるころ、彼女が「カップ汚れてる」と指摘。よく見ると白いカップの側面に無数の傷があり、そこに汚れが埋め込まれている。飲み終えてさらに驚いたのは、スプーンでついたと思われる、カップ内側のこれまたいっそうひどい数々の傷と、まったくとれていない汚れ。
 茶色いどころかシャーペンでぐるぐる書いたようにまっ黒。別に毒でもないだろうが、飲み終えたカップの底がこれでは、文字通り後味が悪いじゃない。今時珍しいな。
 昨日日曜美術館の録画を見ていてロートレックの肖像に刺激され、ボーラーがとても欲しくなる。チャップリンが被っているような帽子。上等なものは10万円近いわけだが、今は若者向けに5000円くらいのも売っているのだ。というわけで、今日連れ合いとでかけた目的は帽子だった。
 まんまと目的通りの帽子を入手。5000円台にしては被り心地もよい。店員と雑談していた際、わたしが自分の被っていたソフトを指して「これ、20年以上被ってるんですよ」と言った時の、彼女の驚いた顔!彼女がハイハイしていた頃から愛用している、兎毛のソフト。もう穴が空きかけている。