テレビから2

録画しておいたNHKヒューマン なぜ人間になれたのか』を観た。和辻哲郎の語る人倫というもの、間柄というものと不思議なほど一致する概念が、美しい映像や音楽に彩られた豊富な研究報告によって語られていた。要するに人類はその始まりから協力しあう、相手がいて初めて成立する種だ、と。
しかも番組終盤で、コミュニケーション抜きでは、栄養や衛生が整っているにも関わらず乳児の死亡率が極端に高まるとも。和辻がもしこの番組をあの世で見たら、思わず微笑むだろうなあ。
間柄というのは、「それも大切」というような情緒の問題ではなくて、人の生死に関わる問題なのだ。だから倫理学は、人がなぜ間柄を無くしては生きられないかを大真面目に探求しているのだ。
番組見ながら、涙が。