カーネーションのひろがり

このところ毎朝『カーネーション』を夢中で見ている。なんというか、糸子と孫娘の里香との、微妙な距離感の、だんだん縮まる様子がなんとも。母娘でないところの間接的なのが、よけい面白い。しかも時代が80年代中葉、まさにわたしが中学生として、その風俗を覚えている時代なのだ。
しかも、糸子を演じる夏木マリのよさ。関西弁のイントネーションは別として、やはりいい。これも主観的なことだが、わたしが最初伝道師になったときの、当時すでに82歳だった我が師匠たる女性の牧師に、なんとも共通するものがある。あの頑固さ、しかし決めたことは必ずやり通す気力。若造たちがかしこまる様子を見ていると、「すわんなはい!」と言われて慌てて正座して師匠に耳を傾けた、かつての自分を思い出さずにはおれない。
我が師匠も根っからの仕事人間で、70歳くらいで一度引退していたが、再び燃え立って牧師に復帰したのだった。そこへ実に頼りないわたしが、師匠の足を引っ張るべくやってきたと。よく叱られたし、またときには我慢できず言い返して喧嘩しては、また仲直り。懐かしい。