『ふしぎなキリスト教』第3部「いかに「西洋」をつくったか」を読了。やっぱり、面白かった。一人が論説的に語ると、範囲の狭さや偏りが気になるが、対談(雑談!)形式になっているので、実際には緻密に計算された話題の組み合わせであるとはいえ、偏りもそれほど鬱陶しく感じなかった。
雑談が偏るのは当たり前だからだ。後半の科学や哲学とキリスト教の関係などは、マクグラスの『科学と宗教』などに出てくるような説明と、それほど大きな違いはない。自分としては、「この本はキリスト教を大いにねじまげている!」という感覚は持たなかった。
もちろん、聖書学や歴史神学といった専門分野の人が精読すれば、「この表現は飛躍している」とか「明らかに誤っている語句があった」というようなこともあろうが。わたしのような市井の牧師から見て「そんなアホな!」というほどの間違いはなかったように思うのだが。
あとは立ち位置の問題だろうと思う。最初から拒否的に読むのか、好意的に読もうとするのか。わたしは、信徒である自分が、信徒でない人の書いた本を読む以上、違和感ある表現にぶつかるのは当然だという前提で読んだので、かえって面白く読めたように思う。