封書

 前任地で、ある意味もっとも向き合うのに苦労した、厳しく辛口だった方。その方から封書が届く。緊張し、躍動もしつつ、封を切る。
 「お元気ですか」旨、ごく短い挨拶の手紙。彼女らしい、几帳面な文字と文面。前任地での苦労を懐かしく思い起こす。
 また牧師に復帰できるのかどうか、今は分からない。未来のことは何一つ予想も立たない。この職場も1年しか居られない。でも、今こうして恵まれていることは事実なのだ。その喜びを噛みしめつつ、溢れる思いを絵葉書にしたためて返信した。
 なにもかもが落ち着いたら。もちろん、そんな日は生きているあいだには来ないかもしれないが。とにかく、いつか。あの前任地へ、もう一度、みんなに会いに行きたい。