静かに、ただ静かに、深く、語りかけてくる

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで行われている南桂子展に、連れ合いと行っていた。メゾチントの説明で長谷川潔が言及されており、浜口といい南といい、パリにおける、日本人による銅版画技術復興の一側面に驚く。三人、どの作家も大好きだ。ため息が出るほどの超絶的技巧によって、稠密に構築された静謐さには共通するものがある。
「世界文学全集46 ボーヴォワール/デュラス 娘時代/ 静かな生活」の挿画を、南桂子がしているという。古本で買ってみようかな。しかもボーヴォワールの「娘時代」を翻訳している朝吹登水子という人は、南桂子と親交のあった人である。だから挿画に選ばれたのかもしれない。