もしもわたしがいなかったら

昨日の地震は震度4だったらしい。久しぶりに恐ろしかった。料理で火を使っているときに連れ合いが「わぁ!」と叫び、すぐS波が。沸騰したスープが波打つのはほんと心臓に悪い。恐ろしい思いは、17年前のあれ一回で、もう十分なんだが。
教会の映画鑑賞会が、ちょうど雑誌『Ministry』の今号付録DVDと同じ『素晴らしき哉、人生!*1だったので、参加して鑑賞。ミニシアター並みの、といえば大袈裟だが、贅沢な画面と音響で楽しむ。
終盤、主人公ジョージが絶望して自殺しようとしている場面で、携帯電話が振動。「お客さんが来ていますよ」とのこと。外に出てみると、なんと前任地で出会った友が。「おみやげわたそうと思って。これ、久しぶりでしょ。」。出張でこちらに立ち寄ったので、会いに来たという。漠然と同じ関東とはいえ、此処からはそれなりに遠い出張先から、わずかな時間を縫って会いに来てくれた。ほんの15分程話し、「またぼくもそっち行くから!」とハグして別れ、映画鑑賞に戻る。
映画のラストシーンでは、友が財産であり、勝利者とは友を得たものだという旨、天使の書き置きが映されて終わる。前任地では苦労の連続だった。あらゆることが失敗に終わった気さえしていた。だが、わたしがあそこに赴任していなかったら、彼がわざわざここに会いにやってくることもなかったのだ。映画を観ているんだか現実に自分が体験しているんだか良く分からず、画面が揺らぎ滲んだ。