その後追記したこと

内田樹が言及していたのはアブラハムについてだが、アブラハムを含めた聖書というものを読む(現在の)人間に、こういうメタ・メッセージは生じるのだろうか。解釈を介さない、直ちに宛先たる読者に直撃するような体験は。
メタ・メッセージとは内田の説明によれば、「窓を開けて下さい」みたいな、言われた瞬間に意味など考えずに理解できる言葉とか、教会や劇場のデザインのように、そこでは日常とは違うことが演じられていますよという、中身を中身として指示し認識させるための、通常それ自体は意識されない額縁みたいなものらしい。
とすると、アブラハム的なメタ・メッセージ体験とは、聖書の読者レベルで言うなら、ここ(聖書)に書いてある言葉は、意味のあれこれの解釈はともあれ、まさしくこのわたし宛ての呼びかけだと直感する、ということになるのかな。