追記

そういえば、別の牧師たちの話だが、うっかりテレビの話題をしかけて、「わたしはテレビは見ませんから」ときっぱり言われてしまい、きまずかったことも何度かある。こういうときに感じた気まずさは、けっきょく、テレビ(などという俗悪なもの)を見ない牧師はわたしよりも高級だという、へんてこな劣等感が自分にあったからだろうな。
ちなみにさっき言及した尊敬する牧師さんは、テレビはよく見る。わたしの陳腐な高級低級のカテゴリーなんぞどこ吹く風だ。
録画しておいた『山本五十六』を観た。小学生のころ映画館で観た『連合艦隊』のような、戦争映画につねに漂う耽美的な要素はできるだけ抑えてはいた。また、軍事的なことだけでなく、新聞社内部や居酒屋の民衆の描写をとおして、メディアがそのとき何をしたのかということを2時間作品の限界内で描いていた。
現代は情報も価値観も多様過ぎて、どれが正確な情報なのか分からない混乱した時代だとも言える。でも、「ひとつの客観的で純正な」情報しか見聴きできないよりは、まだずっとマシなんだろうとは、映画を観て思った。