悪足掻き的に追記

寺山修司『不思議図書館』とか澁澤龍彦『夢の宇宙誌』を読んで愉しんだ身としては、『ふしぎなキリスト教』を読んで面白かったと漏らして、見識を疑われてしまうのは残念。
タイトルが「不思議な」キリスト教ではなくて「ふしぎな」となっていることにも、わたしなどはレトリックを感じてしまう。まあラクに読み飛ばしてくれよ、みたいな。
澁澤や寺山の随想を読んだとき、あのトンデモだったり意外で斬新だったりする切り口、つまり書き手と編集の妙が面白かったのである。彼らが取り上げたモティーフそれ自体、魔女や鉱石や書籍がほんとうに彼らの書いたとおりなのかどうかは、ほとんど気にもならず。これはあくまでわたしの読み方に過ぎないけれど。
いっときキリスト新聞社の編集者が『ふしキリ』をやや肯定的に評価していたのも、編集という仕事柄、そういうテクスチュアなりフォーマットなりに関心を持った、ということなのだろう。