梁塵秘抄』を読んでいると、殺生ゆえに漁師などが救いから遠い職業とされていたことが窺える。ペトロたちも、律法を守りきれない仕事だったゆえに罪人とみなされていたという説があったのを連想。
最近連れ合いが少女絵に興味を持っている。以前に松山近郊の美術館で観た小林かいちのデザイン画群を思い出す。十字架のイエスモーセや教会の塔などが美しく単純化され、大正昭和の少女たちをときめかせた。たぶん日本人のキリスト教イメージの一端を担った。
吉屋信子の『黒薔薇』でも、若い女教師が教会のクリスマス会でリードオルガンを弾く場面があった。主人公はクリスチャンではなかったが、おそらく主人公同様、吉屋自身が教会の青年会みたいな交流に参加した体験があったのだろう。クリスマス準備のときめきみたいなものの描写がかなりリアルだったから。