2012-07-24から1日間の記事一覧

旧約→新約「一直線」ではなく 

E・スヒレベーク著、ヴィンセンテ・アリバス・塩谷惇子訳、『イエス 一人の生ける者の物語 (第一巻)』、新世社、2003を読了。大変読み応えのある良書であった。まだ第二巻、第三巻と続くが、いったん休憩して、先にペリカンの第一巻だけでも読了しなければ…

静謐 勤勉の積み重ねによって

録画していた日曜美術館の南桂子の回を観た。連れ合いが以前に気に入って、彼女の絵葉書集を買っていたのだった。連れ合いがいかにも好きになりそうな、とてもやさしいが、とてつもなく寂しさもたたえた作品たち。描かれている少女の、言葉にならない寂しさ…

とはいえ、

まったくありのままでないという矢川澄子の文体が、けっきょく彼女のありのままであるだろう、その予感だけは漠然としている。今はまだそれを存在論的に説明することはできないが。 矢川澄子が自死して10年経って、まったくその存在を知らなかったわたしが、…

ありのままに、が、あまりにとおい

『ユリイカ 矢川澄子・不滅の少女』の「座談会 生涯をかけて開かせた、傷の花」を読む。松山俊太郎が矢川澄子のネガティヴな傷をぐりぐり抉り出し、それに対して佐藤亜紀があからさまな不快感を示し、緊張感が走る。その均衡をかろうじて保つ、池田香代子。…