かすかな黴のにおい、白い壁

ラヴェルの「水の戯れ」を聴きながらトーストを食べる。気分だけホテルのラウンジかカフェ。
音楽には鈍感であるが、ときおり友人が楽しんでいる音楽や、なんとなく観ているテレビの映像のうしろの曲などに、「これは」という出遭いを感じることがある。ラヴェルの「水の戯れ」もそうだった。つい先日のこと。「日曜美術館」を観ているような、否、美術館の廊下を歩いている空気。
ずばり「展覧会の絵」という、お気に入りどころではない曲もあるが、ドビュッシーといいラヴェルといいサティといい、白い美術館の、ちょっと薄暗くて黴のにおいのする廊下(今時黴のにおいのする美術館など殆ど無いが)を感じさせるような音楽が好きだ。
楽天のポイントが消えますよー、という宣伝メールにまんまと踊らされて、結局矢川澄子特集のユリイカと、「モオツァルト」が収録された小林秀雄を注文してしまった。愚かだなあ・・・・