2012-01-01から1年間の記事一覧
“十字架につけられたのは、三位一体のうちの一つでなければならなかった。もしこの告白が、「神性受苦論者」という嘲りの称号をもたらしたら、「彼らは栄光の主を十字架につけた」という使徒の言葉に慰めを得ることができた。受肉したロゴスは「その神的な本…
ウルトラマン『怪彗星ツイフォン』を観る。当時のプロレスブームなどが窺える。また、銀座の街並みが一瞬映るのもよい。最後に宇宙から見た地球が写るが、おとぎ話的な星空に浮かぶ灰色の地球儀のよう。たった数十年で、いかに宇宙の映像と、それにともなう…
ちなみに、70歳を過ぎた方が洗礼を受けたことがあった。戦前に幼稚園に通っていたのを思い出して、教会に来たのだと。当時の牧師も、当時の幼稚園の先生たちも、みんな今は天国。彼女が洗礼を受けたことを、生きて目撃はできなかった。だが、わたしは嬉しか…
今号の『ミニストリー』の特集「センセイたちのリアル」を読んだ。キリスト教主義学校の、宗教主事の先生がたの葛藤が、いきいきと語られている。 わたし自身が前任地で覚えていた葛藤と重なる。記事を読んで、「あれでよかったんだな」と、胸を撫で下ろす思…
『Q』も、なんとか都合つけて見に行きたい。映画館って、なんであんなにわくわくすんのかな。暗い部屋で、みんなで同じ方向向いて、ひとつのドラマを共有するのって、なんか宗教儀礼に似てる気がする。ライブしかり、クラブでDJブースを向いてみんなが躍る…
ペリカンの『キリスト教の伝統』をとおして教理の歴史を勉強していると、自分がいかに他教派に対して誤解を持っているか、あらためて知らされる。マリアを崇敬することについて、長いあいだ、てっきり土着のフレイヤとかアフロディテなどの女神信仰がマリア…
森光子さん亡くなられたんだな。『時間ですよ』は再放送世代だけれど、小学生のときに夢中で見たなあ。合掌。 ひとつ気がかりなことがあるのだが、無理に「恐るな!神に委ねよ!」とは念じず、この際とことん恐れまくってみることにする。そのほうが、たぶん…
録画しておいたフジテレビのTHE ROCK STORIES part1を観た。とても見やすく編集されていた。エピソードとしては、ムッシュかまやつが香港で欧米並みの機材を入手したものの日本とインピーダンスの規格が合わず、堺正章らと徹夜ではんだごてで改造したという…
J・ペリカン著、鈴木浩訳『キリスト教の伝統 教理発展の歴史 2 東方キリスト教世界の精神』教文館、2006を読み始めた。1の後半でアウグスティヌスが扱われていた際に、おもに彼によって定式化された「原罪」の教理が言及されていた。しかし一方2において…
「我々はプロテスタントだ。だからあらゆることにプロテストしなければならない」と言ってた牧師さんもいたけれど、プロテスタントだって正統主義の時代もあったわけで、というか正統主義になるべくしてなっていったわけで、こうした発想に、なにか違和感を…
http://kliment.cocolog-nifty.com/blog/ 正教の日本人の司祭が書いているブログである。正教の用語の正しい、そして現実に即した使い方などを窺い知ることができる。わたしは正教、あるいは東方のキリスト教の歴史については不勉強であり、メイエンドルフ著…
ツイッター上で、島田裕巳という宗教学者が、キリスト教について曖昧あるいは誤った知識を語ったために、キリスト者たちから批判を受けている。島田裕巳って聞いたことあるなと思っていたら、『私の宗教入門』(ちくま文庫)を書いた人だった。今回のツイッ…
“河井は焼物の名人である。だが更に尚「受取方」の名人である。人間に会う場合でも、映画を見る場合でも、品物を眺める場合でも、その価値の受取方が竝々ではない。他の人には無とも思えるものから、有を引出してくる。実際無であるとしても、有で受取る。否…
“上人嘗て禅門の大徳法燈国師に会う。国師一問を上人に呈し、「念起即覚」の意を問われた。上人は一首の和歌を読んで答えられた。 「称うれば 仏も吾も なかりけり 南無阿弥陀仏の 声ばかりして」 国師は「未徹在」と云われた。未だ悟りに徹しないものがある…
なんとか喫茶店にもぐりこんだはいいが、隣のお客が壮絶にやかましい。しかも滑舌がやたらハキハキしているから、妙に言葉が入り込んできて、耳の入り口で追い払えない。珈琲代損したなあ。 やっと居なくなったが、急に静まりかえったら耳がきーんとする感じ…
小田垣雅也がしばしば用いるたとえ話に、禅に由来する繋驢橛(けろけつ)というものがある。驢馬が杭に繋がれている。自由になろうとして、杭のまわりをぐるぐる巡る。すると、縄が杭に巻きついていって、どんどん驢馬は杭と近くなり、最後には身動きが取れ…
アニメ『NOIR』の第6話「迷い猫」を観ていた。霧香とミレイユはナザロフという老人の暗殺依頼を受ける。身一つで暮らす、善良な、ひたすら隣人に尽くす老人。しかしナザロフはかつてKGBで、強制収容所において少数民族の虐殺を指示した過去を持っていた。そ…
姜尚中著、『悩む力』、集英社、2008を読了。先に『続・悩む力』を読んでしまっていたせいか、やや印象が弱い。うんと悩みぬくことに意味があるんだとは書いてあるが、もはや悩めないほどに挫折、絶望したらどうなるのかという弱さの問題にはふれられていな…
胃癌検診結果を医師から聞く。たくさんのレントゲン写真を見ながら、丁寧に説明してもらう。小さなポリープが二つ三つあるが、良性なので経過を見ればよいとのこと。これが大腸だと、良性でも一応切除するのだそうだ。40歳も過ぎたし、健康管理には気をつけ…
午前中、目玉が飛び出しそうな感じの頭痛に悩んでいたが、あまりに憂鬱なので、夕刻になってようやく、だいぶ前に処方してもらった頭痛薬を服用したら、すっと治った。有難かったが、そんなんやったら午前中に服用しときゃよかったと、くやしかった。水曜日…
“師、「併し、神が貴方を地獄に投げる事を欲したら貴方はどうなさいますか」。乞食、「神が私を地獄に投げるとおっしゃるのですか。若しも神がそうしたら、私は二つの手で神に抱きつきます。一つは謙遜の手をもって神の聖なる人性を抱き、一つは愛の手を以て…
大河ドラマって、分厚い本を読むような忍耐力が要る。あまり興味の湧かない場面もあるが、頑張って頁を読み進めてゆくと、思わず面白い箇所に遭遇もする。「こりゃ読めんわ」と思ったら、もう最初から観る気がしない。
録画しておいた『平清盛』を観た。最近憂鬱だったのだが、久しぶりに納得できる回。ふと『平家物語』の重盛の台詞を思い出した。“親父入道相国の体をみるに、悪逆無道にして、ややもすれば君をなやまし奉る。重盛長子として、頻りに諫をいたすといへども、身…
午前中は、CCR、ブルー・チアー、カイツを大音量で聴いて過ごした。教会には、まだ誰も来ていない。 “脱構築論的神学が言うように、いかにも神は人間にとって「他なるもの」であり、「差異性」の相のもとにある。神についてのいかなる人間の表現も相対的であ…
教会にポジティフ・オルガンというのがある。パイプオルガンの小さいやつ。今日、空気が乾燥していたために、空鳴りがしたという。音が鳴らない、鳴りにくい音階があったという意味だろうか*1。今後は奏楽前には十分な湿度が保たれるよう気をつけねばならな…
教会で、やたらと「それは人間的な思いに過ぎないですよ」と言わないようにしたい。それこそ、溝を上空から見渡して、ここまでは人間の思いだが、この溝から向こうは神の御心だなどと、わたしに言えるのか。「これは神の御心です」という「わたしの」思いで…
“人間が棲んでいるところは、裂け目のこちら側であって、裂け目の上空ではない。見渡せるようなものは裂け目ではないのである。だから裂け目が一本の溝のように前方に存在し、解釈はそこまでは行けるがその向こう側はだめだといったような、対象的なものとし…
“しかしそれと同時に、このようなポスト構造主義の言葉理解が、ひそかに宗教的相貌を帯びていることに気づいている読者も多いのではなかろうか。ハイデッガーはもとより、禅の絶対無、道家の思想の「道」のありかたは差延と表現できようし、また神がイスラエ…
昨日の展覧会場で手に入れた湯浅譲二のCDを聴いている。ウルトラマンシリーズを手がけた松本好正によるレコーディング。なんとも60年代SFな音。大阪万博のせんい館内で流されていたという。 アニメ『NOIR』を観直してみると、やっぱり銃声がすごい。当時のア…
“だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。”(マタイ5:48) あなたも完全な者になりなさい、ではなくて、あなた「がた」も完全な者になりなさい。一人では完全にはなれない。ここでの完全(テレイオス)は、「…