2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

クリームが崩れないよう慎重に冷凍保存しておいたいちごのショートケーキを、電子レンジで解凍。誤ってほかほかに。湯気が出てクリームは溶解。残念な気持ちでスプーンでケーキをすくうと、染み出たいちごの汁があたたかいクリームと混じり合い、意外にもお…

F・G・イミンク著・加藤常昭訳『信仰論 実践神学再構築試論』を読み始めた。おそらくオランダの改革派神学の伝統に忠実でありつつ、現代の(衰退しつつある)教会のありように応答しようとしていると思われる。今、第2章の途中まで読んでいるが、信仰の個人…

瞬間を切り取るのか、動きなのか

野矢茂樹『心と他者』(中公文庫版)を読んでいる。知覚と幻覚は何が違うのかを、一所懸命に考えさせるテクスト。あまり実利的にとらえるのはよくないと思いつつも、「役に立つなあ」と思ってしまう。というのも、まずは知覚も幻覚も等しくリアルな体験なの…

対話における「いなし」

剣道をやっていたとき、先生から「いなす」ことを教わった。相手の剣尖をいなす。体を大きくよけて避けるのでもなく、相手の剣を跳ね飛ばして自身の剣を突き出すのでもなく、相手の剣尖をするりと流す。相手はそのまま流れ去る。わたしが先生をいくら攻撃し…

書かれてはいないが、たいせつなこと

“すなわち、使徒と教父の伝統に基づいていると想定された慣行にしては、聖書にも古代の著作家の中にも、それを支持する書かれた証言がほとんどない、という事実である。(中略)聖画像の支持者たちは、自分たちは「率直な信仰と公同的教会の書かれざる伝統の…

ある方とファミレスでお喋りしていたら、アイフォンが聞いたことのない音でけたたましく鳴る。表示を見ると、「大きい揺れにご注意下さい」旨。緊張して身構えると、やがて大きな揺らぎ。ファミレスが二階にあったこともあり、気持ち悪い横揺れ。やや離れた…

帰着前日〜新幹線車中

小林秀雄と中原中也と長谷川泰子で、誰か映画作ってくれないかなあ。久世光彦が紹介した、映画化が見送られた脚本の存在が気になって仕方ない。久世の解釈では、小林は長谷川よりも中原を「愛して」いた。 赤木善光が学生時代、東神大に小林秀雄を講師として…

立ち読みして出会った物語たち

明日帰るので、時間を作って久し振りの友人と会い、帰りに実家最寄り駅前の小さな本屋へ。雑誌からマンガ、文庫までざっと置いてある、よくある書店。むかしはよくマンガやエロ本をここで買った。そして、この書店でドストエフスキーとも出会った。松岡正剛…

望外の

車椅子の母と、デイルームでおしゃべり。傷ついた命の回復しゆく姿に驚嘆。医療スタッフの方々の配慮に満ちた言動に、牧師として学ぶものあまりにも多し。人びとに、そしてイエスさまに深く感謝。 二人の人と、それぞれの場面で、二人きりで祈りあう場面があ…

祈られている喜び

母が2年前に洗礼を受け、通っている教会に出席。お世話になっている牧師や信徒の方々にご挨拶。思えば、当時母の「教会でお葬式をしてもらいたいけれど、突然頼んでできるのか」との質問に、ちょっとだけ嘘をついて、「うーん、むずかしいな。ふだんから通っ…

母の宇宙

食後に食器を洗い、引き続き掃除。掃除をしつつ、部屋の隅々まで精緻に整頓されているのが目に入り、また、テレビや音響機器の上にも埃がまったく積もっていないのを見るにつけ(わずかに積もった埃や落ちているごみはすべて母の入院後のもの)、母がどれだ…

谷間の鹿

今日も病院へ。母は水を「おいしい」とごくごく飲み、みかんを食べた。錠剤を口に入れてあげ、顔や手を拭いた。手術前同様、わたしの祈りに「アーメン」と力づよく応えてくれた。ここに命がある。神の息吹を乾いた砂のように吸い込んでゆく命が。